●(叢書・ウニベルシタス 322)裸体とはじらいの文化史(副題:文明化の過程の神話 I)
(ハンス・ペーター・デュル著、藤代幸一/三谷尚子訳、法政大学出版局、1990.12.24、ISBN4-588-00322-4、¥4300)
※かつて『文明化の過程』という論文が「文明化が進んだ社会ほど裸体を恥じらうようになった」という説を唱えたのに対し、そういう説が「神話」であって「事実ではない」という異議を唱えたもの。ヨーロッパの裸にまつわる歴史が詳細に紹介されているのが興味深い。異議を唱えるにあたって、 裸同然で暮らす南洋の島の社会に於いても性器を直視することが罪とされていることを挙げている。
●羞恥の歴史
(ジャン=クロード・ボローニュ著、大矢タカヤス訳、筑摩書房、1994.04.25、ISBN4-480-85660-9、¥6900)
※401ページから裸体主義について記述有り。
●裸体の帝国(副題:ヌード・ワールド Vol.1 ヌーディズムの歴史1 ヨーロッパ編)
(秋田昌美、水声社、1995.06.30、ISBN4-89176-312-4、¥1700)
●ストレンジ・ヌード・カルト(副題:ヌード・ワールド Vol.2 不思議の裸体天国)
(秋田昌美、水声社、1999.11.30、ISBN4-89176-313-2、¥2500)
●イメージ・リーディング叢書人の〈かたち〉人の〈からだ〉(副題:東アジア美術の視座)
(東京国立文化財研究所編、平凡社、1994.03.31、ISBN4-582-28472-8、¥3600)
●THE BODY
(ウィリアム・A・ユーイング(William A. Ewing)、飯沢耕太郎日本語版監修、那須孝幸/渡辺純子訳、美術出版社、1996.10.30、ISBN4-568-12057-8、¥3200)
●ヌードの歴史
(ジョージ・レヴィンスキー(Jorge Lewinski)、伊藤俊治/笠原美智子訳、PARCO出版、1989.12.18、ISBN4-89194-229-0、¥3000)
●ヌード写真の見方
(飯沢耕太郎、新潮社、1987.07.25、ISBN4-10-601949-3、¥1100)
●気持ちいい身体(副題:進化する「カラダと快感」)
(アクロス編集室編、PARCO出版、1996.01.10、ISBN4-89194-460-9、¥1600)
※p56-67:山田美保子:「どんどん露出する女性」はこうして生まれた
※p78-89:秋田昌美:ユートピアとしてのヌーディズムとスポーツ
※その他いろいろ
●窓際のトットちゃん
(黒柳徹子、講談社、1981.03.05、ISBN4-06-145840-X、¥1000)
※p78-81に「プール」と題された章あり。トモエ学園の校長先生は、裸になることで子供達の羞恥心を取り除き劣等意識を持たさないのに役立つと考えていたとの記述。
●[図説]20世紀の性表現(副題:SEX&LOVEイメージの100年史!)
(別冊宝島217、宝島社、1995.02.26、ISBN4-7966-0917-2、¥1165)
※p90-93:図説(5)1930年代…裸体運動とヌード写真黄金期
●ちくまライブラリー39 木村伊兵衛の昭和
(木村伊兵衛、筑摩書房、1990.05.30、ISBN4-480-05139-2、¥1400)
※写真番号19に「漁村の曙」という題の写真。男達がふんどしもつけない全裸で船を引っ張る様子が納められている。写真番号142に「房州千倉」という題の写真。海女がふんどしだけをつけた裸で火にあたっている様子が納められている。
●ちくまライブラリー55 木村伊兵衛の昭和の女たち
(木村伊兵衛、筑摩書房、1991.05.10、ISBN4-480-05155-4、¥1500)
●ヌード3 裸の女神たち
(大類信、河出文庫、1995.08.25、ISBN4-309-47283-4、¥660)
●愛蔵版清岡純子写真集
(渡羅 監修、綜合図書、1998.11.05、ISBN4-915450-15-5、¥3200)
※写真家清岡純子氏の作品集。清岡氏は10歳あたりから成人前までの少女のヌード (静止画及び動画)撮影をライフワークとしたことで有名な写真家。作品は清岡氏の 意図とは反対に、ロリータ趣味の男性達に強く受け入れられたため、賛否両論が激しく、 社会的圧力に押さえられる形で発禁処分を受け、作品の発表を制限されてしまった。 失意の中、平成3年(1991年)永眠する。後書きとして、藤本義一・石坂浩二・ 東てる美・梨元勝・渡羅らが清岡氏への思いを寄せている。
●メール・ヌード・コレクション(MALE NUDE COLLECTION)
(視覚デザイン研究所・編、視覚デザイン研究所・発行、1994.08.25、ISBN4-88108-109-8、¥3000)
※全編男性のヌードによるポーズ集。男性器も自然な形で撮影されている。
●一億人の昭和史1〜8
(毎日新聞社、1975年〜1976年)
※「1(昭和元年〜昭和10年)」のp.224下に舳倉島の海女の写真。ふんどしと頭巾だけの裸。恥ずかしがる様子も無く、笑みを浮かべ自然に撮影されている。
●発禁本(副題:明治・大正・昭和・平成 城市郎コレクション)
(別冊太陽、1999.07.16、米沢嘉博 構成、平凡社、ISBN4-582-94326-8、¥2800)
※政治問題から性愛表現・裸体表現まで、発禁本とされたり警告等を受けた書籍類のリスト。表紙や中身がどういうものであったかを写真付で紹介している。
●ヌードライフへの招待(副題:心とからだの解放のために)
(夏海遊、明窓出版、2000.06.20、ISBN4-89634-050-7、¥1200)
※著者はインターネット上のハンドルネーム「UVA」氏として有名。中身は大きく「理論編」と 「実践編」に分れている。ヌードレクレーションによる心とからだの解放という点では日本で 先駆的な活動家夫婦であるが、本書の中で繰り返し「裸を見られているという意識が体型を 鍛えようとする意識向上に繋がる」という事を述べていることから、ヌーディズムの共通思想で ある「Body Acceptance」(身体の個性を尊重するという精神)に欠ける思想が強い事が窺われる。 そういう彼ら夫婦の彼らの掲示板での発言を私が問題視して指摘する私の書き込みは、彼らに よって即削除されて「いたずら呼ばわり」された経緯がある。どういう経緯であったかは 私の Naturist/Nudist伝言板に紹介した通りである。この一点に於いて、私と、UVA夫婦 及びその取り巻きとの間に大きな溝が生まれている。ちなみに、彼らのHPは Take Off Your ...である。
●特集=温泉主義 中東世界の入浴文化
(杉田英明、imago第5巻13号、1990.11.01、p124-131)
※1897年にイラン人サッハーフバーシーが日本に来た時の旅行記、及びペリー提督の『日本遠征記』における記述が引用元明記で記載されている。
●特集=温泉主義 水のエロスと治癒力
(ミシェル・オダン、中川吉晴訳、imago第5巻13号、1990.11.01、p132-145)
※143ページに1行ほどヌーディスト村と仮面舞踏会との比較での記述あり。
●必勝のハダカ
(アサヒグラフ増刊「われらが100年」、1968.09.25、p120-123)
※戦中の精神の優位性で寒さなどの外界の困難に耐えうるように身体を鍛練することが求められた時代、新潟県市之瀬国民学校の6年生の男女とも上半身裸で在校時間全部を過ごす。軍国校長の断で決まったとのこと。この時代普通だったのか、それともやはり容姿を気にしたのか、男子が前の席に座り、女子は後ろの席であった。大根を掲げる少女の写真は月刊誌『太陽』の1991.07の特集「100NUDES」のp136-137の井上章一「死体と裸体と動物園」にも引用されている。原本は『日本写真史1840−1945』の山田英二撮影
※他に漁師の労働風景、徴兵検査、農民道場の雪中の禊の風景
●100NUDES(副題:100人の写真家による裸体と肉体の150年)
(太陽、1991.07.12、創刊28周年記念特大号特集、平凡社)
※ヌード写真の歴史を100人の写真家の作品を中心に紹介したもの。性愛を直接撮影したものか否かを問わず、女性も男性も股間について一切の修正をせずに掲載されており、当時警察から警告はされたが発禁等の処分にはならなかった。日本における、いわゆる「ヘアヌード」が解禁された走りの写真集になった。
●総力特集:NUDE
(iMAGAZINE No.35、1999.02.25、(株)アマナ)
※p.45-47に杵島隆氏へのインタビューがあり、その中で杵島氏は、「子どもの時から、健康なヌードをきちんと見せたほうがいいんじゃないかって。」と述べ、かつて(恐らく1960年前後)海女の町である千葉県御宿で、「セミヌードの女性と子どもたちをを一緒にしたら、子どもたちはどれくらいの時間が経つと、無関心になるかって実験をして、その写真を並べた」ことを話している。その時の写真も掲載されている。